駿河湾フェリーと土肥金山を組み合わせて旅行できないかと思案していたところ、早咲きの土肥桜が見ごろを迎えていることを知り、決行した。
行きは陸路で。三島から修善寺まで伊豆箱根鉄道、修善寺から土肥まで東海バスを利用するのが土肥金山公式HPに記載されたアクセス方法なので、これを利用する。東海バスの本数が1時間に1本と(十分ではあるが、往路に利用する交通機関の中では)少ないので、これの出発時間に合わせて移動する。
三島であれば新幹線に乗らず普通列車でも行ける距離。ついでに乗ったことがなかった御殿場線を経由して、沼津まわりで三島、伊豆箱根鉄道に乗り換えて修善寺。東海バスに乗り換えて、途中「出口」という汎用性の高い名前のバス停を通り、峠を越えて50分、土肥に到着。バス通りからも鮮やかなピンク色の桜が良く見える。
土肥金山。もっと地味なところだと予想していたら、観光地化され、人も多かったのでびっくり。観光坑道には当時の労働者を模した人形が置かれ、音声による案内もある。金山に行ったのは記憶の限りでははじめてなので、金鉱脈の薄さに驚く。これのためだけに地面を掘り進めてもなお採算がとれるのは、金の価値ゆえか、労働の搾取によって成り立っていたのか。
隣接する資料館には大きな金塊や昔の金貨が置いてあったけど、個人的には金山を中心に形成された町の模型と、金の精錬の過程を説明した展示に目が行った。
一通り見たら今度は温泉へ足を運ぶ。ゆる~とという、以前、水上だか湯檜曽だかの温泉を探しているときに発見したサイトを今回も使い、入浴施設を選ぶ。途中、海沿いの道に沿って進むと、先述の桜がきれいに並んで、すっかり春の世界に迷い込んだよう。六角形のフードを被った信号機もまた面白い。
こじんまりとした温泉は人が少なくて快適だったが、露天風呂のお湯が熱すぎて苦労した。名残惜しく濃淡2種類の桜を目に焼き付け、来た道を引き返す。土肥港には駿河湾フェリーの時刻にちょうどよく到着。
駿河湾フェリーには静岡県のお金で半額乗船。朝が早かったので船内の椅子で少し休んだら、後方の展望デッキに出る。このフェリーは「ふじさん駿河湾フェリー」と名乗るほど富士山がよく見えるのだ。清水港に近づくとコンテナ船のヤードや倉庫が見えて、港の規模の大きさを感じさせる。
清水に降り立つ。ここにはシェアサイクル(HELLO CYCLING)があるので、これを使って三保松原に立ち寄る。シェアサイクルは安く、そこそこの速度で、自分の都合のいい時間に移動できるので、旅行先にあると好んで使う。
三保松原を少し見たら清水駅方面へ。あとは帰るだけだが、清水からだと、新富士が在来線から離れていることもあり、新幹線に乗るには三島まで在来線で行くか静岡まで戻る必要がある。今回は静岡まで戻ることにした。清水・静岡間はJRと並んでしずてつが走る。しずてつに乗ったら、ちびまる子ちゃんラッピング車両で、放送もちびまる子ちゃん仕様なのが面白かった。
静岡には駅前に松坂屋があるので、閉店前のデパ地下で弁当を買って新幹線に乗る。駅弁を買うのではなく駅前の百貨店で弁当を調達するやり方は何度かやったが、こちらの方が選択肢が多く、コスパもいい気がする。
駅前の店によるのは時間つぶしの意味もある。静岡はけっこう発展した都市なのだが、なにぶん新幹線の本数が少ない。早くリニア中央新幹線が完成して静岡に停車するひかり号も増えるといいね。