他人の真似事でしかありませんが、船舶の登録事項証明書を出してもらったので、また欲しくなった時のために記録します。
※登記ではなく登録原簿です。登記簿謄本の申請は船籍港を管轄する法務局に出してください。
最寄りの運輸支局等の窓口で交付申請をしました。平成16年3月以前に抹消された船舶でないことが最寄りの運輸支局等で交付できる条件のひとつです。現役のフェリーであればまずOKです。船舶法施行細則にあるようにだれでも請求できます。電子申請であれば手数料が200円安く済むようですが、e-Govからやろうとしたものの申請書の記入のところがよくわからず、今回はあきらめることにしました。窓口で申請してみたらうまくいきましたという成功例程度に参考にしていただければと思います。
申請書の用意、申請書の記入、手数料としての収入印紙の用意、窓口の確認の4点です。
申請書様式を入手します。私か探した範囲では2箇所にありました。
1箇所目:国土交通省…PDFなので印刷して手書きで記入するものだと思います。こちらにはPDFファイルに手数料や窓口等の案内が簡単に書かれているので、指南書としてまず最初に閲覧するとよいでしょう。
場所…MLITトップから「お問い合わせ・申請」を選択。「申請・届出等手続きの案内」を選択。海事関係の「船舶法施行細則」を選択。「船舶事項証明書交付等申請」があります。
2箇所目:東京運輸支局…Wordファイルで、編集できるようになっています。親切なことに記入例のPDFもあります。
場所…東京運輸支局トップから「海上の交通」を選択。船舶の検査・登録手続きにある「船舶の登録手続き」を選択。最下段に様式(doc)と記入例(PDF)があります。
申請書を入手したら必要事項を記入します。私は東京運輸支局のWordファイルを使い、コンピュータ上で記入してから印刷しました。記入例通りに記入しましたが、申請者の氏名が署名または記名押印でなくていいのかは、謎です。
登録事項証明書を出したい船舶が特定できれば船籍港と所有者は空欄でもよいそうです(船名と船籍港または船名と船籍港でも一意に定まるならいいのだろうか?)。私は船舶番号と船名を記入して提出しました。船舶番号が記されている書類はごく限られ、Wikipediaには載っていません。今度の交付申請は交付申請そのものが目的であったので番号を把握できる船舶から選びました。船舶番号が記載されている書類で思いつくのは、官報、事故等の調査報告書、書籍『船舶明細書』くらいでしょうか。登録事項証明書は今まさに手に入れようとしているものですし、船舶登記は私には入手の仕方がわかりません。
事故等の調査報告書は運輸安全委員会HPで検索・閲覧できます。船名、船舶番号、所有者(住所は載らない)、場合によっては船籍港が記載されます。過去に事故あるいは重大インシデントが発生した船舶であればこれで当時の情報が確認できます(あまり気分のいいものではないと思いますが)。
官報は過去のものの入手が簡単でないのですが、登録時に船名および信号符号とともに番号が告示されるので、閲覧できるならここで確認すればよいと思います。船舶明細書は高額ですが国立国会図書館まで行けば買わずとも閲覧できます。もっとも、船舶明細書には船舶番号以外の情報も掲載されていますから、これが閲覧できるなら登録事項証明書が必要となることは滅多にないと思います。
なお東京運輸支局のWordファイルの雛形宛先が「関東運輸局東京運輸支局長 殿」宛なので適宜書き換えます。
郵便局で入手しました。現金のみでの支払いです。1通あたり900円ですが、900円の印紙はないのでおそらく400円と500円が一枚ずつになるでしょう。
最寄りの窓口を確認します。私は東京運輸支局青海庁舎に行くことにしました。青海庁舎は海事関係業務を行う庁舎だそうです。国土交通省版申請書PDFの案内には「地方運輸局又は運輸支局等に提出」するようありますが、個別の窓口については地方運輸局のものしか記載されていません。いちどe-Govの電子申請を試したときに提出先を選択する画面がありまして、おそらく窓口および郵送での申請先と同じものだと思うので、選択肢に出てきたものを以下に記します(手打ちなので表記違ってるかも)。
青海の東京運輸支局に行きました。東京運輸支局は親切なことにHPに各窓口の受付時間が記載されていましたが、念のため事前に電話をかけ、船舶の登録事項証明書の交付申請をするのに適切な窓口であるか等を確認しました。郵送でも受付できることをおっしゃっていましたが、電話の内容から、窓口を訪ねるにあたって事前の連絡は特に必要ないような印象を受けました。窓口の受付時間は9時から12時と13時から16時、働き方改革で16時終了としているもののそれ以降は一切受け付けないというわけでもないようで、16時以降になるようであれば円滑な窓口のために電話するようにと書かれた紙が窓口に置いてありました(参考:以前は17時30分まで)。ただし、運輸支局のHPをいくつか覗いた限りでは、HPに受付時間、アクセス、雛形や記入例などの案内を詳しく記しているのが東京運輸支局くらいでしたので、そのほかに申請するときは電話するのがいいと思います。
HPにも注意書きがありますが合同庁舎であり、身分証明書を提示のうえで入館証をもらって立ち入りました。9階までエレベータで上がった北西側(エレベータホールから海側に向き右方向)に運輸支局があります。運輸支局の入口をくぐって真っ直ぐ進むと右側に「登録事項証明」と書かれた看板が置かれた机があります。入口手前のマップに船舶部門と記されているあたりです。奥でパソコンと向き合っている方に声をかけたら受付していただけました。
あとは用意したものを渡すだけです。申請書に適切に記入できている確証が持てなかったので、収入印紙は貼らずに持っていきました。申請書をざっと確認していただいてから持参した収入印紙を貼り付けてお渡ししました。 2隻分を各1通、計2通の交付をお願いし、30分かからず出していただけました。割と近くのデスクで作業しているので作業が一通り見られて面白かったです(笑)。最後に受領のサインをして終了です。
以上、窓口での登録事項証明書の交付申請をしてみたのでその記録を残しました。交付申請をしてみたいという方を手助けできているといいのですが……。交付された登録事項証明書が公に公開していいものか判断できないのでスキャンして載せるようなことは控えますが、船籍港、所有者、総トン数などの正確な情報とそれらの変遷を眺めていると、飽きずに何度も何度も図鑑を読み返した子供の頃に戻った気分です。ちなみに合同庁舎内に食堂があるようなのですが、今回行かれなかったので、それだけはまた別の機会に訪れたいです。
e-Govで申請できました。船舶の登録に関する申請から手続き。フォームには基本情報を入力し、交付申請書の WordファイルをPDFに変換したものを添付。証明書であるからか、紙での発行になります。私は後日、窓口で受け取りましたが、郵送での交付もできるはずです。運輸支局の担当の人もe-Govでの申請に慣れていないようだったので、電話して打ち合わせするのがいいと思います。